野焼きとみられる白い煙(昨年12月28日、大津市南郷3丁目)

野焼きとみられる白い煙(昨年12月28日、大津市南郷3丁目)

 屋外で枯れ草やごみなどを焼く「野焼き」に悩まされているという声が、京都新聞滋賀本社に寄せられた。新型コロナウイルスの感染防止のため、換気のために窓などを開ける家庭も多く、「煙が家の中に入ってくる」という人も多いようだ。

 「近所で野焼きが頻繁に行われている。十数年前から続いており、洗濯物が臭くなり困っている」。大津市南郷地区に住む男性(64)は訴える。男性によると、南郷中付近で、夕方を中心に野焼きが頻繁に行われているという。「行政はコロナの感染防止のために換気を勧めるが、窓を開けられない。市はもっとパトロールしてほしい」と憤る。

 記者は昨年12月から先月にかけ、夕方を中心に同中付近を十数回訪れた。野焼きの現場は確認できなかったが、頭が痛くなるような異臭がしたり、白い煙が一帯に漂っていたりした時が数度あった。

 付近に住む60代の男性は「近くの貸農園で2日に1度くらい、利用者が枯れた草などを焼いている。その際、苗を入れるビニールポットやナイロン袋も一緒に焼いており、においがして迷惑」と話す。

 野焼き(野外焼却)は、ダイオキシン汚染をはじめとする大気汚染、悪臭や火災防止のため、2001年に法律で禁止された。違反者は懲役刑や罰金刑が科せられる。例外として、災害時の廃棄物焼却や護摩焚き、軽微なたき火などが認められているが、生活環境を害する場合は行政指導や行政処分の対象となる。

 滋賀県農業経営課は、農家に対し稲わらなどは土にすき込むように指導しているという。だが、病害虫駆除のため、野焼きする場合もあるという。また、県東近江農業普及指導センターは「非農家が増え、田畑のすぐそばに新興住宅地ができることで、苦情が出やすくなっている」としている。

 野焼きは火災にもつながりかねない。2月11日には、大津市伊香立と草津市北大萱町で、野焼きが原因とみられる火災が相次いで発生。けが人はなかったが、物置小屋などが全焼した。

 大津市には、野焼きの通報が警察や消防からの情報提供を含め月5~6件あり、市職員が通報場所に駆けつけて行為者を指導している。ただ、行為者が見つからなかったり、火元が確認できなかったりする場合も多いといい、広報誌で野焼きをしないよう呼びかけている。

 市不法投棄対策課は「昔からやっているから、少しくらいなら大丈夫などと考えず、煙が与える健康被害や洗濯物へのにおい移りなど近隣住民への迷惑を考慮してほしい」としている。