「鬼滅の刃」に関するフィギュアや文房具、キーホルダーなど(押収品の一部)

「鬼滅の刃」に関するフィギュアや文房具、キーホルダーなど(押収品の一部)

 偽ブランド品など、知的財産を侵害する物品の輸入が後を絶たない。財務省が5日に発表した2020年の輸入差し止め件数は全国で前年比26・6%増の3万305件となり、3年ぶりに3万件を超えた。


 省内で押収品の一部が公開された。ブランド品のバッグや衣類に加え、大ヒットアニメ「鬼滅の刃」に関するフィギュアや文房具、キーホルダーなども並び、ひときわ目を引いた=写真。新型コロナウイルス禍を象徴するように布マスクや錠剤も。発送元は中国が85%超を占め、香港や韓国、東南アジア諸国が続く。

 同省担当者は「本来、日本国内に存在してはいけない物。全て焼却処分する」と説明。知的財産侵害の重さを実感した。

 ネット通販が普及し、郵便物での輸入は全体の92・7%を占める。現在の商標法では、個人が自分で楽しむために模倣品を輸入しても商標権侵害には当たらない。だが、近年は事業者が個人のふりをして輸入する手口が増えており、政府はこのほど、個人目的の輸入でも税関で差し止められる同法改正案を閣議決定した。

 「法改正で知的財産の侵害が少しでも減ってくれたらいいのだが」と担当者。押収品の山を眺めながら、こうした願いが届いて欲しいと感じた。