京大からの回答を批判する「満州第731部隊軍医将校の学位授与の検証を京大に求める会」のメンバー(京都市左京区・京都大)

京大からの回答を批判する「満州第731部隊軍医将校の学位授与の検証を京大に求める会」のメンバー(京都市左京区・京都大)

 第2次世界大戦中に人体実験による論文を執筆した旧関東軍731部隊の将校に京都大が医学博士号を授与したとして、検証を求めていた有識者グループは1日、要請を受け予備調査していた京大から「実験にサルを使ったことを否定できない」と回答されたことを明らかにした。さらなる調査を行わない方針も伝えられたという。

 「満州第731部隊軍医将校の学位授与の検証を京大に求める会」(事務局長・西山勝夫滋賀医科大名誉教授)は、京都市左京区の京大で会見を開き「予備調査は不十分。京大は人体実験でないと言い切る必要がある」などとして、異議申し立てを行ったと述べた。

 同会は昨年7月に山極寿一総長に要請書を提出。1945年に戦死した将校の論文「イヌノミのペスト媒介能力に就いて」で、サルが頭痛を訴えたという記述などがあるため、実験に使用したサルがヒトであった疑いがあると指摘していた。

 京大からの2月8日付けの回答では、「どのようにサルの『頭痛』を判断したか記載されていないが、何らかの行動指標によって頭痛が起きていると判断していたと推察できる」などと説明した。その上で「ねつ造の疑いの根拠には科学的合理的理由がなく、実験ノートや生データがないため調査を継続することは不可能」と結論づけた。

 回答に対して同会は「使用された動物がサルであるか、ヒトである可能性を明確に否定できると証明しなければならない」とした。

 同会共同代表の松宮孝明・立命館大教授は「疑わしい時にどう推定するべきかという問題。学位を授与する大学として、可能な限り調査をして、疑わしいなら学位は取り消すべき」と話した。