<京の知恵 しあわせの食 小宮理実>

 こんにちは。料理研究家の小宮理実です。暦も啓蟄(けいちつ)を迎えました。土の中にいる虫たちが動きだす頃です。私たちも、春の山菜のほろ苦で、眠っていた細胞を呼び覚ましたいと思います。

 旬の食材同士を使った「菜の花とアサリの白ワイン蒸し」。ニンニクのみじん切りをオリーブオイルで熱し、香りが出たら、アサリを入れます。菜の花も加え、塩・こしょうを振り、白ワインと水を合わせたものを回し入れます。ふたをして1分間蒸し焼きに。アサリのうまみいっぱいのスープもごちそうです。

 「タラの芽の天ぷら」を作るときは、衣をつける前にタラの芽に薄力粉をまぶします。ポリ袋を使うと粉が飛び散りません。冷蔵庫で冷たくした薄力粉と水に、酒を少し加えます。少し高めの180度の油でカリッと揚げます。仕上げに塩や粉ざんしょうを振っていただきます。

 春の香りと土の香りを楽しめるのが「セリとゴボウの牛すき焼き」です。すき焼きのタレ、ゴボウのささがき、牛脂のみじん切りを加え、5分ほど煮込みます。クタッと煮えたら、セリと牛肉、卵を落とし、火が通ったらいただきます。牛脂のコクがゴボウに染みこみ、お箸が進みます。

 ほろ苦い山菜には酢みそがよく合います。「コゴミとヤマイモの酢みそあえ」は、塩ゆでしたコゴミと下ゆでをした角切りの山芋のどちらも、キッチンペーパーで水分を押さえましょう。このひと手間で、酢みそであえたときにも味がぼやけることがありません。

 「フキノトウみそ」はフライパン一つで仕上げます。フライパンにオリーブオイルをなじませ、みじん切りにしたフキノトウを炒め、塩、黒こしょうを加え、仕上げに白みそを酒で溶いたものを加えます。ごはんはもちろん、焼いた厚揚げ、カマンベールチーズやトーストにのせてもいいですよ。

 アクのないウルイは生のままで「ウルイの生ハム巻き」に。レモンを搾っていただきます。ウルイ特有の粘り気やシャキシャキ感が塩気のある生ハムによく合います。

 春の気をからだに取り入れ、笑顔で過ごしたいものですね。(料理講座「幸せ運ぶフクチドリ」主宰)

ホームページ「料理研究家・小宮理実」(https://komiyarimi.com/)


◆小宮理実 こみや・りみ 1971年京都市上京区室町生まれ。おせち料理・行事食研究家。家庭で作る季節の行事食を伝えており、食育活動のほか、商品開発も手掛ける。著書「福を呼ぶ京都 食と暮らし暦」「京のおばんざい四季の味」。