カヌレ・ド・ボルドー

<写真に撮りたいスイーツレシピ 「オルディネール」主宰 佐藤綾>

 カリッと焼けた外側ともっちりした内側の対比、そして口に入れた瞬間広がるバニラとラムの豊かな香りが何とも美味(おい)しいカヌレ。“カヌレ”とは「溝がついた」の意の仏語で、縦溝がついた小さな王冠型で焼きます。伝統的には銅型に蜜蝋(ろう)を引いて焼きますが、家庭では扱いやすいフッ素樹脂加工の型にバターを塗るのがお勧めです。
 フランス菓子は各地方に古い歴史を持つ物も多く、このお菓子も正式には“カヌレ・ド・ボルドー”と言って、フランス南西部のボルドーに起源を持つ古典菓子。卵黄を多めに使うカヌレは、もともとワインの澱(おり)を取り除くために卵白だけを大量に使っていたボルドーで、卵黄の有効利用のために作られ始めたと言われています。
 初めに高温でしっかりと焼くのが生地の底上げを防ぐポイント。焼き立てのカリカリ感を堪能できるのは手作りならではです。


【材料】=カヌレ型6個分

 牛乳250グラム、きび砂糖50グラム、バニラ1/3本、無塩バター15グラム、砂糖60グラム、コーンスターチ30グラム、薄力粉35グラム、卵黄40グラム、卵白20グラム、ラム酒25グラム
(下準備に、無塩バター 10グラム)


【作り方】

(1)生地を作る。小鍋に牛乳ときび砂糖、バニラ(中身とさやを分け、両方使う)、無塩バターを入れ、中火でバターが溶け、60度くらいになるまで温める。
(2)ボウルに砂糖と薄力粉、コーンスターチをふるい入れ、温めた(1)を1/3くらい流し入れ、泡立て器でよく混ぜる。
(3)卵黄と卵白を合わせたものを全て入れ、よく混ぜたら残りの(1)も全て加えムラなく混ぜる。ザルでこし、ラム酒も入れてよく混ぜ、ラップをして冷蔵庫で次の日まで寝かす。
(4)オーブンを250度に予熱し、10分ほど置いておく。生地を50度程度の湯煎に当て、ゴムベラで混ぜながら人肌(35度くらい)に温め、バターを塗っておいた型に均等に流し入れる。
(5)オーブンに入れて250度で10分、210度で40~50分焼く。途中20分たったら表面にアルミホイルをかぶせ、焼きあがったら型から出す。
※完全に冷めた頃が内側のもっちり感が出て食べ頃。外側のカリカリ感を楽しむため、密封はせず、当日中にいただくのが良いでしょう。


【ポイント】

 カヌレやパンなど、その深い焼き色に美味しそうに見える要素が詰まっている場合、被写体が白光りしてしまわないよう、あまり露出を上げずに撮影するのがポイントです。
 影をしっかり出して立体感が感じられるよう、あえて黒いレフ板を使うのもお勧め。素朴なお菓子に合わせ、遠目にも生地感がわかるリネンの布を無造作に敷き、主役のカットしたカヌレが際立つよう背後はあえて見切れるように撮影しています。


◆佐藤綾 さとう・あや 英国留学やドイツ系IT企業勤務を経て、かねて興味を持っていた製菓の専門学校で学ぶ。2007年から京都市でお菓子教室「Ordinaire」を主宰。インスタグラムはORDINAIRE_AYA