インスリン用注射器を使って1瓶から7回分を取り分ける看護師ら(8日、宇治市・宇治徳洲会病院)

インスリン用注射器を使って1瓶から7回分を取り分ける看護師ら(8日、宇治市・宇治徳洲会病院)

 新型コロナウイルスワクチンの接種を巡り、宇治徳洲会病院(京都府宇治市)は8日、インスリン用注射器を使って1瓶で7回分の接種を可能とする方法を報道関係者に公開した。ワクチンの量が限られる中、5回しか接種できない一般的な注射器を使うのに比べ、条件が合えば回数を1・4倍にできる可能性がある。同病院は厚生労働省に報告し、資料を提供した。

 米ファイザー製ワクチンは、原液に希釈用の生理食塩水を加えると1瓶2・25ミリリットルになる。接種1回の必要量は0・3ミリリットルだが、一般的な注射器は先端部に液体が残るため、5回分しか取れない。特殊な注射器だと6回分取れるが、供給が不足している。

 同病院が先端部に液体にが残りにくいインスリン用注射器を使ったところ、7回分が取れた。ただ、同病院が使うインスリン用注射器は針の長さが12・7ミリと国が用意した注射器の針(25ミリ)より短く、ワクチンを注入する筋肉まで届くかどうか皮下脂肪の厚さを測る必要があるという。

 院内の接種会場ではこの日、看護師がインスリン用注射器を使って1瓶から7回分取り分ける作業や、医療従事者に接種する場面が公開された。接種前には上腕部分の皮下脂肪を約30秒のエコー検査や数秒で済む専用機器で測り、条件が合う人に注射した。皮下脂肪が厚く筋肉まで針が届きそうにない人には国が用意した注射器を使用した。

 同病院は5日、この方法で職員に接種を始め、報道機関に発表。8日には厚労省へ連絡し、求めに応じて発表用資料を提供した。また、同病院がファイザー社に問い合わせたところ、「病院が注射器を準備して使用するのは問題ない」との回答を得たという。

 同病院の末吉敦院長は「ワクチンを確保するペースが上がらない中、このやり方だと接種を受けられる人を増やすことができる」と話している。