10年前の原発事故当時、官邸での動きをメモ書きした「福山ノート」。メルトダウンやベントといった文字が見える

10年前の原発事故当時、官邸での動きをメモ書きした「福山ノート」。メルトダウンやベントといった文字が見える

 少し黄ばんだ大学ノートを開けると、10年前の生々しい記録がつづられていた。

 〈0:57 総理 キキカンリセンター入り〉

 「これはベントの時です」。東京・永田町の参院議員会館の自室で、京都選出の福山哲郎(59)が語り始めた。

 福山は、民主党政権だった2011年3月11日の東日本大震災発生当時、内閣官房副長官を務め、首相官邸で東京電力福島第1原発の事故対応に当たった。刻々と変わる状況に翻弄(ほんろう)されながら、情報を収集し、政策決定に関わった。

 その日々を記したノートを前に福山は語る。

 「一度暴れ出したら人間の力ではどうしようもない原発の事故を、もう二度と繰り返すまい。そのことを訴え続けるのは、あの場に居合わせた政治家としての役割だと思っている」(敬称略)