子育て世代の住居確保が課題になっている京都市中心部

子育て世代の住居確保が課題になっている京都市中心部

 京都市は9日までに、所有しながら生活していない「非居住住宅」の戸主に対し、法定外普通税として新たに課税する方針を固めた。財政難への対応に加え、首都圏や海外の富裕層に市内のマンション、空き家が別荘(セカンドハウス)として買われ、京都の未来を担う子育て世代が住まいを確保できず市外に流出している実態を踏まえた。国内では静岡県熱海市に別荘税の先例があるものの、大都市での実施は初めて。2018年に導入した宿泊税に続き、新税で年間最大約20億円の税収を見込む。公平性の担保など課題もあり、全国の自治体から注目されそうだ。

 京都市では近年の観光ブームを受け、首都圏や海外、特に中国の富裕層が物件を競って買い、マンション価格が急騰する一因となっていた。住民票の届け出がないため、市民税の税収が見込めない上、30代の市外転出に拍車をかけていると問題視されている。門川大作市長は昨年2月の市長選で「セカンドハウス所有者に対し、適正な負担のあり方を検討し、実行する」との公約を掲げていた。市長が同8月、新税導入を有識者委員会に諮問し、答申案がこのほどまとまった。

 答申案では、富裕層が資産として保有したり、週末などに滞在したりする別荘や、生活せずに管理するだけの空き家といった「非居住住宅」の所有者を納税義務者とする。道路や水道など公共施設整備の利用に見合った負担を求める。対象地域は「市街化区域」に限定。課税免除対象の案として、賃貸や売却予定、事業での使用のほか、市条例に基づき保全対象となる京町家などを想定する。その上で課税対象は約1万7千戸になると見込む。

 税額の算出は、資産価値を表す額に一定税率▽家屋の固定資産評価額を階層に分けての累進制▽家屋の床面積1平方メートル当たりに一定額-といった3案を示す。これにより税収は8億~20億円と試算。具体例として、中京区の「田の字地区」にある分譲マンションの別荘(床面積100平方メートル)が6万5千~43万円。右京区嵐山の戸建て別荘(同300平方メートル)が12万~43万円などとする。

 市は答申案について市民意見を今月19日まで募集。有識者委から4月に答申を受け、条例案を具体化する構えだ。