京都銀行

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 未曽有の巨大災害とされる「南海トラフ地震」が起こると、最悪の場合、東海から九州にかけての太平洋側は大津波と震度7の揺れで壊滅的な被害が想定されている。救援や支援はこれら被災地に集中するため、京都や滋賀のような「被災地の外縁部」では自力で苦境を乗り切ることが求められる。その時、京都や滋賀の金融機関はどう対応し、私たちはスマホ決済やATM利用ができるのか。専門家や企業への取材を基にシミュレーションした。

■キャッシュレス決済は停電で使えない可能性

 大規模災害の発生後に心配なのが、手元にある現金や決済システムだ。

 近年急速に普及するスマートフォンなどを使ったキャッシュレス決済。コンビニや飲食店にある決済端末は、停電や通信回線の不通時は利用が難しい。最大震度7を観測した2018年の北海道地震では、大規模停電によって多くの店舗で電子マネーやクレジットカードの読み取り端末が使えなくなった。

■預金も引き出せない恐れ、でも出金を急ぐことはない

 では預金の引き出しはどうか。金融機関が運用する現金自動預払機(ATM)も、停電や損壊で利用できない恐れがある。京都銀行(京都市下京区)は、16年に南海トラフ地震の被害想定を検証。局所的にATMや店舗が被災する可能性はあるが、「広範囲で金融システムの空白区が生まれることは考えにくい」(リスク統轄部)という。

 店舗では通帳や印鑑がなくても本人確認ができれば預金を引き出せる。同行は「倒壊の危険がある家屋に通帳などを慌てて取りに戻らないよう、落ち着いて行動してほしい」とする。大金を抱えて避難や移動するのはリスクが高く、数日をしのぐ現金があれば出金を急ぐ必要もなさそうだ。

 借入金返済や法人の手形決済などは、大規模災害時に各金融機関が返済猶予の特別措置を講じるケースが多い。