東日本大震災の発生後、府民から寄せられた支援物資をトラックに積み込むボランティア(2011年4月、京都府向日市・京都向日町競輪場)

東日本大震災の発生後、府民から寄せられた支援物資をトラックに積み込むボランティア(2011年4月、京都府向日市・京都向日町競輪場)

南海トラフ地震で京都と滋賀が受ける最悪の被害想定

南海トラフ地震で京都と滋賀が受ける最悪の被害想定

 未曽有の巨大災害とされる「南海トラフ地震」が起こると、最悪の場合、東海から九州にかけての太平洋側は大津波と震度7の揺れで壊滅的な被害が想定されている。救援や支援はこれら被災地に集中するため、京都や滋賀のような「被災地の外縁部」では自力で苦境を乗り切ることが求められる。その時、京都や滋賀で食料や飲料水、日用品は足りるのか。専門家や自治体への取材を基にシミュレーションした。

■自治体備蓄は2日分だけ

 京都府や滋賀県でも、食料や飲料水のほか、赤ちゃん用のおむつや生理用品などの日用品が、深刻な欠乏状態になる可能性がある。

 京都府と滋賀県、各市町村が備蓄する食料と飲料水は、合計しても避難所に来ると想定される人のおおむね2日分に過ぎない。その後、家庭の備蓄食料や飲料水が尽きて避難所に来る人が増える。

■国からの支援、津波被災地に振り分けられる可能性も

 府や県は、3日後からは、食料や水を国や近隣都道府県からの支援に頼るとしている。内閣府は「発災後に企業などから調達し、被災地の要請を待たずにプッシュ型で支援をする」とし、被災1週間後までに必要な食料支援を、京都で360万食、滋賀で150万食と想定する。しかし、巨大災害の直後に企業が食料を十分に調達できるか分からない上、物資が太平洋沿岸部など被害が深刻なエリアに振り分けられる可能性があり、京滋に必要な分の物資が届くかどうかは不透明だ。

■西日本で物流まひ、全国で物資欠乏に

 物流が西日本一帯でほぼまひ状態になる上、地震・津波の被害や燃料不足によって企業の食料や飲料水の生産力は落ちる。内閣府は、最悪の場合、全国の食料・飲料水の不足を、発生3日間で計3200万食・4800万リットル、発生4日~1週間で計6400万食・9900万リットルと想定する。

 日用品や生活必需品も足りなくなる。京滋でも毛布やおむつ、粉ミルク、生理用品、トイレットペーパー、携帯トイレなどが大幅に不足すると想定される。ガソリンや灯油などの燃料も入手困難になる。

 牧紀男・京都大防災研究所教授(防災学)は「企業の生産力低下や物流停滞、買い占めなどにより、被災地だけでなく全国レベルで過去に経験のないスケールの物資不足になる恐れがある。京都や滋賀の小売店がいつ普段通りの品ぞろえに戻るか、想像が難しい。京滋の各家庭でも普段からの備蓄が必要になる」と指摘する。