塚本さんが自宅で見つけた京都日出新聞の大正14年元旦号の付録短冊。竹内栖鳳が描いた牛の絵が印刷されている(京都市山科区)

塚本さんが自宅で見つけた京都日出新聞の大正14年元旦号の付録短冊。竹内栖鳳が描いた牛の絵が印刷されている(京都市山科区)

 戦前の京都を代表する日本画家竹内栖鳳(1864~1942年)の作品の美術印刷を、京都市山科区の塚本安彦さん(79)が自宅で見つけた。絵は京都新聞の前身の一つ「京都日出新聞」の1925(大正14)年元旦号の付録で、同年のえと「丑(うし)」にちなんだ図柄が描かれていた。2021年も同じえとで、塚本さんは「不思議な縁を感じる」と驚く。

 絵は多色刷りで縦36センチ、横7・5センチの縦長の短冊型。表面に角が生えた牛の頭と子どもを抱いた女性らしき姿が描かれ、「栖鳳」の名前が見える。裏面には大正14年1月1日という日付がある。


 京都日出新聞は1897(明治30)年~1922(大正11)年の元旦号に竹内栖鳳や上村松園ら地元在住の有名画家の名画を木版や石版で複製した絵付録をつけていた。23年からは絵付録の代わりに短冊を配布していた。


 短冊は塚本さんが2020年春に自宅の整理をしていた際、父の荷物が入ったつづらの中から見つけた。年代から祖父が残していたものを父が捨てずに保管していたとみられ「体の一部分だけしか描かれていなくても牛のたけだけしさが伝わる。さすが栖鳳さんだなと思った」。父・故正悦さんは京塗り師で芸術に造詣が深く「父の影響で幼い頃から栖鳳さんら画家の名前を記憶に植え付けられていた」と話す。


 さらに祖父の加藤彦太郎さんが栖鳳の親族と小学校時代の同級生だったといい、塚本さんは「このタイミングで見つかったのは何かの縁。せっかくなので家に飾っておきたい」と笑顔を見せた。