毎朝4時間ほど行っているごみ拾いの記録を出版した伊藤さん(京都府八幡市)

毎朝4時間ほど行っているごみ拾いの記録を出版した伊藤さん(京都府八幡市)

 15年以上にわたって毎朝ごみ拾いを続けている京都府八幡市の伊藤錚治(そうじ)さん(76)の活動記録をまとめた「旧大谷川の小橋を通って」が、2月中旬に出版された。回収したごみや出会った人との会話など日常を書き留めた記録1年分を書籍にし、「一生続けて、八幡を日本一きれいなまちにしたい」と語る。

 伊藤さんは1998年、「地域のためにすぐ役立てることはないか」と週1回のごみ拾いを始めた。徐々に頻度が高まり、2005年からは毎日行う。

 午前4時半ごろに長ばさみやほうき、スコップなどをカートに積んで自宅を出発し、市中心部を巡る。路上のごみや土砂などを回収し、約4時間で土のう袋10袋分程度が集まるという。

 18年10月からは「ごみが多い現状や活動を知ってほしい」と日記を付けており、19年10月までを収録したA4判248ページの書籍を、伊藤さんが代表を務めるボランティア団体「22世紀八幡ルネッサンス運動」が発行した。

 表題は市内を流れ、毎日越える旧大谷川にちなむ。その日の経路を記した後、吸い殻や紙くずを拾ったり、道路脇の雑草を刈ったりする作業を記録した。道中で掛けられた感謝の言葉や活動を続ける思いもつづる。

 ごみ拾いに出掛けることが「体に染みついている」といい、雨天でもかっぱを着るなどして休むことはなく、歩いた距離は「地球1周以上」。「昔よりきれいなまちになった」と言われることがやりがいだという。

 伊藤さんは「本をきっかけにポイ捨てをやめたり、ごみ拾いを始めたりする人がいればうれしい」と語った。

 千部を作り、同団体の情報誌を送付している約700人に配ったほか、1冊500円で頒布している。