桜の木の前で被災者からの感謝のメッセージを紹介する長井さん(京都市右京区・嵐山公園中之島地区)

桜の木の前で被災者からの感謝のメッセージを紹介する長井さん(京都市右京区・嵐山公園中之島地区)

GReeeeNのHIDEさんが「キミマツサクラ」と記したネームプレート

GReeeeNのHIDEさんが「キミマツサクラ」と記したネームプレート

 嵐山公園中之島地区(京都市右京区)には、福島に縁の深い人気音楽グループ「GReeeeN」のメンバーHIDEさんから、被災の記憶継承に取り組む京都の団体「キミマツサクラ」が譲り受けた桜の木が植わっている。震災から10年の節目、団体の関係者が桜の前に集い、HIDEさんや被災者のメッセージをインターネットを通じて発信した。

 桜は、福島県三春町にある国の天然記念物「三春滝桜」。震災当時、同県で歯科医として勤務していたHIDEさんは、嵐電嵐山駅構内で直後から開かれていた支援イベントに関わっていた長井喜美さん(57)に2012年、苗木1本を譲った。「キミマツサクラ」と命名、団体の名前もそこから取った。

 2013年に発足した同団体は駅構内で苗木を育て、毎年3月11日に合わせて、特別列車を運行したり、駅ホームで被災地や桜の成長記録を紹介したりしてきた。昨年3月中旬には桜が成長したため、現在の場所に移植した。昨年と今年は、新型コロナウイルスの影響で、恒例のイベントは中止した。

 この日は、メンバーがSNSの機能を使ってライブ中継をしながら、宮城県気仙沼市の被災者からの活動への感謝の言葉や、HIDEさんが寄せた「ともに少しずつ前に進んでいきましょう」というメッセージを読み上げた。震災発生時刻の午後2時46分には、静かに祈った。


 キミマツサクラ代表の長井さんは、「この日だけは被災地に思いを寄せてもらいたい。大切な活動だと思うからこそ、ここまで続けることができた」と話した。

 また、この日に合わせてHIDEさんが「キミマツサクラ」と記した、木製のネームプレート(縦10センチ、横20センチ)が木に設置された。