東日本大震災の発生時刻に合わせて黙とうする参列者(2021年3月11日午後2時46分、京都市東山区・霊明神社)

東日本大震災の発生時刻に合わせて黙とうする参列者(2021年3月11日午後2時46分、京都市東山区・霊明神社)

 京都、滋賀各地の社寺で11日、東日本大震災の犠牲者を追悼する法要が営まれた。参列者は地震発生時刻に合わせて黙とうし、故人の冥福を祈った。

 京都岩手県人会は震災を風化させないとの思いを込め、初めてとなる追悼慰霊祭を京都市東山区の霊明神社で開いた。同神社の神職村上浩継さん(41)は岩手県釜石市の職員として5年間働いたことがあり、慰霊祭の開催を提案した。同会の佐藤耕吉会長(70)は「私たちの思いを被災地に向け、この日のことを忘れないというメッセージを送りたい」と追悼の言葉を述べた。

 法要を毎年行っている伏見区の醍醐寺は、10年の節目に改めて被災地に思いを寄せようと、初めて本堂に当たる国宝・金堂で営んだ。同寺は夏休みに被災地の子どもを招いたり、シダレザクラの苗木を岩手県や福島県の小学校に送ったりするなど交流を続けてきた。法要では仲田順和座主ら僧侶約20人が本尊の薬師如来を安置した堂内で読経した。壁瀬宥雅執行長は「私たちがこれからも前に進むためにも、ともどもに祈り続けたい」と話した。

 大津市の三井寺(園城寺)には約50人が集まった。福家俊彦長吏(62)を導師に僧侶が読経する中、参列した一人一人がろうそくに火をともし、犠牲者を悼んだ。地震発生時刻には「三井の晩鐘」で知られる釣り鐘を突き、福島県南相馬市の学校で誕生した合唱曲「群青」を流した。毎年参列している同市の岡田明子さん(77)は「被災した方に節目はない。風化させないため、滋賀から変わらずに心を寄せ続けたい」と話した。