空き家を改装した「白湖」を前に、「地域の日々の暮らしが豊かになるような場に育てたい」と話す上田さん(高島市勝野)

空き家を改装した「白湖」を前に、「地域の日々の暮らしが豊かになるような場に育てたい」と話す上田さん(高島市勝野)

 滋賀・湖西唯一の曳山(ひきやま)祭り「大溝祭」で知られる高島市勝野の大溝地域で、まちづくり活動に取り組む女性が空き家を改装したシェアスペースを開設した。「白湖(はこ)」と名付けた空間で目指すのは「まちに住む人がさまざまな文化に触れられ、日々の生活を豊かにする場」。食や映画をテーマに多彩なイベントを開いている。

 大溝地域のまちづくり協議会のスタッフ、上田未來(みき)さん(34)は5年前に大津市から移住し、観光案内やイベント運営に携わっている。活動を通して、少子高齢化で増える空き家問題に触れ、地域に必要とされる場として再生させようと思い立った。

 造り酒屋や酢の醸造元などが並ぶ本町通り(県道高島停車場線)に面した鉄筋コンクリート2階建ての空き家を借り、昨春以降、夫の洋行さん(37)や仲間と少しずつ手を加えてきた。壁紙や天井を取り除き、下地のコンクリートがむき出しのシンプルな内装にしつらえ、大きなカウンターキッチンも設けた。

 改装作業と並行して、昨年末から自主イベントも企画。地域の店主を講師に招き、ふなずしの食べ比べや味噌(みそ)づくりなどを開いてきた。3月2日には初の映画上映会を開く。

 日替わり店主による「ワンデイカフェ」や、地元農産物の販売も計画しており、2階部分をシェアオフィスとして活用することも構想する。

 「使い方を決めず、誰もが自分の場所だと思ってもらえるように」との思いを店名に込め、どんなものでも入れられる「箱」をイメージして名付けた。

 上田さんは「春の大溝祭の頃には本格オープンさせたい。観光客が高島の人や情報に触れられる場所にもしたい」と話す。