宮津産のアカモクやワカメが盛りだくさんの「宮津海藻うどん」。名産の「宮津ちくわ」の天ぷらがのる

宮津産のアカモクやワカメが盛りだくさんの「宮津海藻うどん」。名産の「宮津ちくわ」の天ぷらがのる

夫婦で店を切り盛りする市田彰さん(左)と千代美さん。「宮津の思い出になってもらえれば」と話す=宮津市鶴賀

夫婦で店を切り盛りする市田彰さん(左)と千代美さん。「宮津の思い出になってもらえれば」と話す=宮津市鶴賀

 「宮津海藻うどんです」と、どんどんや(京都府宮津市鶴賀)の市田千代美さん(68)は、いつも絶やさぬ笑顔でお薦めを出す。どんぶりいっぱいの宮津市養老産の海藻「アカモク」は独特のシャキシャキ食感がくせになる。「具が多いねと喜んでもらえると、うれしい」と店主の彰さん(69)は目を細める。


 地元の栗田産のワカメやお米を使うなど食材にはこだわる。うどんは全て手打ち。店内には町で親しまれてきた宮津節が流れる。


 1982年に宮津駅前の民間の市場にオープンした。野菜や魚介類などを求め丹後一円から商売人が集まり、ひっきりなしに行き交う中に構えた8席の店は「活気があった」


 うどんの味も、商売人に鍛えられた。店を始めた当初、お客さんから「おまえ、何かが足らんぞ」と言われた。だしに昆布やカツオは使っていたが、丹後地域で一般的な煮干しが入っていなかったことに気付いた。「5年分の勉強を1年でさせてもらった」


 98年に店を駅前の現在の場所に移転、人々の胃袋を満たしてきた。カレー丼とカレーうどんが合体した人気メニュー「一石二鳥カレー」はSNSで名前を募るなど客とのつながりは店の原動力だ。


 昨年夏、60代の男性が店を訪れた。「うわあ、この味やわあ」。かつて市場の店で味を楽しんだ人が、久々に足を運んでくれたのだった。店を開いて40年近くがたち、親子三世代で訪れる人や女性一人で訪れる人も珍しくない。2人は「世代をまたぎながら、うちを懐かしんでくれる人がいる。あと10年は続けたいね」

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 手打ち本うどん どんどんや 京都府宮津市鶴賀2065-2。火・水曜定休。午前11時~午後3時(売り切れ次第閉店)。0772(22)7800