絵図に描かれた瀧本坊。中央右にある縦長の建物が閑雲軒だとみられている

絵図に描かれた瀧本坊。中央右にある縦長の建物が閑雲軒だとみられている

八幡市教委が作成した閑雲軒の復元イメージ図

八幡市教委が作成した閑雲軒の復元イメージ図

北側から石清水八幡宮一帯を描いた絵図。主要施設が集まる東側からの絵図では見られなかった構造物が確認された(八幡市・石清水八幡宮)

北側から石清水八幡宮一帯を描いた絵図。主要施設が集まる東側からの絵図では見られなかった構造物が確認された(八幡市・石清水八幡宮)

男山に点在した宿坊などが丹念に描かれた絵図。

男山に点在した宿坊などが丹念に描かれた絵図。

 京都府八幡市の石清水八幡宮は12日、江戸期の同宮一帯を北東側から描いた絵図が初めて見つかったと発表した。これまで知られる東側からの絵図では見えなかった角度の構造物が描かれ、崖にせり出した空中茶室「閑雲軒(かんうんけん)」らしき建物も初確認された。同宮は「ほぼ正確に描写され、知られていなかった情報が多く描かれている」として研究を進めている。

 見つかった「八幡山分見(はちまんやまぶんけん)絵図」は、天明3(1783)年に写したと記され、原図は18世紀の様子を描いたとみられる。今年1月に同宮が京都市内の古書店から入手した。


 同宮を描いた絵図の多くは神社の主要施設が集まる東側から描かれているという。同宮研究所は「参拝者向けではなく、勅使を派遣する朝廷に向けて北東の京都側から描いたのではないか」と推測している。

 絵図には、松花堂昭乗が住職を務めた宿坊・瀧本坊(たきのもとぼう)の建物も描かれていた。過去の調査から位置的に閑雲軒と思われる建物も確認できた。八幡市教育委員会は「せり出た様子は見て取れないが、ほかの建物より斜面に向かっている様子はうかがえる」としている。


 同宮は「山中の塀や石積みも鮮明に描かれている。文化財として貴重だ」とし、今秋の一般公開を検討しているという。