10日に行われた京都国際高の壮行会。在日コリアンの同校関係者も出席した(京都市東山区・同高体育館)

10日に行われた京都国際高の壮行会。在日コリアンの同校関係者も出席した(京都市東山区・同高体育館)

民団の京都府地方本部に掲げられた横断幕(京都市左京区)

民団の京都府地方本部に掲げられた横断幕(京都市左京区)

 19日に開幕する第93回選抜高校野球大会に初出場する京都国際高(京都市東山区)へ、在日コリアンから支援の輪が広がっている。韓国系民族学校をルーツとする同高への思い入れは強く、全国から寄付金が集まるほか、喜びの声が寄せられる。同高は「大勢の方の協力がありがたい」と感謝している。

 在日本大韓民国民団(民団)の京都府地方本部(左京区)は甲子園出場が決まると、祝福の横断幕を掲げた。寄付金の目標額を2千万円と設定し、中央本部を通じて各都道府県の組織に支援を呼びかけている。同本部は「これまでもよく球場へ応援に行っていた。全国の同胞で支えたい」とする。


 個人や企業からも寄付が相次ぎ、学校には祝福の花や差し入れの飲料なども届いている。NPO法人「京都コリアン生活センター エルファ」(南区)はインターンシップの受け入れや学校行事の際には弁当を提供するなど交流が続く。朴錫勇(パクソギョン)理事長(52)は「昔は野球部員と一緒にソフトボールをしたこともある。選手の皆さんは学校の歴史にも思いをはせながら思い切りプレーしてほしい」と呼び掛ける。


 校医を務める「ゆうクリニック」(中京区)の兪正根(ユウチョングン)さん(69)は、戦後間もない昭和20年代に父が初代校長を務めた。「長い歴史を知る者として野球部の活躍は心からうれしい。国と国の関係はいろいろあるが、野球を通して学校の姿を多くの人に知ってもらいたい」と感慨を込める。


 「学校OBにとって誇りであるだけでなく、全国の在日の仲間にとっても喜び」と語るのは、パチンコ大手・マルハンの韓裕(ハンユウ)社長(57)。同社の創業者で父の韓昌祐(ハンチャンウ)会長は、京都韓国学園時代の1968年から約20年間、学校法人の理事を務めた深い縁がある。


 韓社長は京都商業高(現京都学園高)の外野手として81年夏の甲子園に出場、全国準優勝を経験している。40年前に自らが立った夢舞台に地元の若者が出場を決め、「同じ野球で甲子園を志した仲間として私もうれしい。あの特別な舞台での経験は必ず人生の大切な一ページになる」とエールを送る。


 現在の学校は生徒131人のうち在日コリアンは3割ほどだが、韓国語の授業など伝統を引き継ぐ。学校法人の李隆男(イユンナム)理事長(75)は「みなさんが本当に協力してくれる。精いっぱい選手を応援したい」と語る。