シリアで拘束された経験を踏まえ、死刑制度について語る安田さん(右端)ら=京都市南区

シリアで拘束された経験を踏まえ、死刑制度について語る安田さん(右端)ら=京都市南区

 死刑制度を考えるシンポジウムが2日、京都市南区の龍谷大響都ホール校友会館であった。内戦下のシリアで3年4カ月拘束されたジャーナリスト安田純平さんや宗教家、国会議員らが、国家が生殺与奪の権を握る現状を話し合った。

 安田さんは、殺される危険と隣り合わせだった監禁生活を振り返り、物音を立ててはいけないなど理不尽な仕打ちを受け、ほかの人への拷問を目の当たりにしたと語った。その後のパネルディスカッションでは「戦争は(敵対する)相手をモンスターにする。相手の事情に対する関心を奪う」と述べ、戦争が人間の命への想像力を欠如させがちだと指摘した。

 安田さんと登壇した龍谷大の浜井浩一教授は「死刑に処された人も、モンスターではない普通の人だ。それなのにあまりにも社会の反応が薄い」と懸念を示した。死刑に関する取材をしてきたジャーナリストの堀川恵子さんは「どんな場所でどのように死刑が行われたのか。日本ではどこからも漏れてこない」と、情報の少なさが無関心を生んでいると説明。メディアの側にも死刑に関する議論をタブー視している現状があると批判した。

 このほか、カトリック教会の前田万葉枢機卿や英国の国会議員アリスター・カーマイケル氏らがそれぞれの立場で死刑制度について意見を述べた。

 シンポジウムは、2020年に京都市で開催される「第14回国連犯罪防止刑事司法会議」に向け死刑制度に関する議論を喚起しようと、日弁連や京都弁護士会が主催した。