会見で終電前倒しの必要性を語るJR西日本の来島社長(大阪市北区)

会見で終電前倒しの必要性を語るJR西日本の来島社長(大阪市北区)

 JR西日本は24日、夜間に行う線路保守の労働環境を改善するため、京都府や滋賀県を含む近畿エリアの全線で、午前0時以降を中心に終電の前倒しを検討すると発表した。接続する私鉄各社との調整が必要なため、実施は早くても2021年春のダイヤ改正以降となる見込み。

 終電運行後から始発運行前の夜間に、同社のグループ会社や協力会社が枕木の交換や線路のゆがみ補正などの保守作業を行っている。2府4県の近畿エリアでは、ほぼ毎日100カ所以上で平均約1500人が保線作業に従事している。
 同社の試算では、現在午前0時半前後までに大阪駅を出発する各路線の終電を午前0時に前倒しした場合、一晩の作業時間が拡大し、作業日数を年間10%ほど削減でき、休日取得が進むとみている。保守を手掛けるグループ会社の従業員は10年で23%減少し、建設業全体でも人手不足が深刻化する中、労働環境改善で担い手の確保に努める。
 同社によると近年、利用者は夕方から夜間にかけては増加する一方、午前0時以降は減少している。京都駅では18年度の午前0時以降の利用者は13年度比88%で、同社は路線ごとの利用実態に合わせて終電前倒しを進める。
 記者会見でJR西日本の来島達夫社長は「保守作業者の働きやすい環境づくりは鉄道事業者として喫緊の課題。終電前倒しは利用者にとっては不便になるが、理解を求めていきたい」と話した。
 同社によると、現在、主要駅で平日午前0時台に出発する列車は京都駅で8本、大阪駅で15本、三ノ宮駅で14本ある。