長島愛生園の歴史や入所者の暮らしを伝える展示パネルに見入る来場者(京都市北区・立命館大国際平和ミュージアム)

長島愛生園の歴史や入所者の暮らしを伝える展示パネルに見入る来場者(京都市北区・立命館大国際平和ミュージアム)

視力や指先が不自由な入所者が点字を覚えるため大きなびょうを使って作られた点字練習板

視力や指先が不自由な入所者が点字を覚えるため大きなびょうを使って作られた点字練習板

 ハンセン病への理解を深める企画展「長島愛生園の人びと」が京都市北区の立命館大国際平和ミュージアムで開かれている。療養所の歴史を通して、国の隔離政策による人権侵害の実態や、差別と闘ってきた入所者の生きざまに光を当てている。

 長島愛生園(岡山県瀬戸内市)は1930年、日本初の国立療養所として瀬戸内海に浮かぶ長島に開設された。隔離政策は96年にらい予防法が廃止されるまで続き、現在でも126人(平均年齢87歳)が暮らしている。

 企画展は、新型コロナウイルス感染者への人権侵害が問題となる中、同じ過ちを繰り返さないためにも歴史に学んでもらおうと、入所者らでつくる同園歴史館が開いた。療養所のない府県での開催は初めてという。

 会場には、隔離生活を伝えるパネル51枚と生活用具14点を並べた。断種を条件に結婚した夫妻が暮らした「十坪(とつぼ)住宅」や、死後も古里に戻れず多くの遺骨が眠る納骨堂の写真のほか、家族と引き離された心情をつづった子どもたちの詩や作文を紹介。同園が逃走防止のため現金を取り上げ、代わりに独自貨幣を発行していた加害の面にも触れている。

 入所者によるハーモニカバンド「青い鳥楽団」の活動をまとめたコーナーでは、病気の後遺症で視力と手の自由を失いながらも舌を使って点字を習得し、点字の楽譜を読み込んだことなど、希望を失わず生きた人々の足跡を伝えている。

 オンラインイベントとして同園入所者自治会長の中尾伸治さん(86)や研究者らによるパネルディスカッションや講演会を順次開催し、同歴史館のユーチューブチャンネルで公開している。展示は27日まで。22日休館。無料。