財政再建に向けた法案を衆院に共同で提出した前原氏(左端)=国会内

財政再建に向けた法案を衆院に共同で提出した前原氏(左端)=国会内

 国民民主党の前原誠司元外相(衆院京都2区)が政策提案や国会論戦に注力している。衆参国会議員16人の小政党で代表などの要職にもなく、与野党で中枢を担ったかつての存在感からすれば影響力低下は否めないが、こだわりのある安全保障や財政金融政策で遠慮なく持論を主張している。

 11日、前原氏は立憲民主党の議員3人と新型コロナウイルス終息後の財政再建を見据えた法案を衆院に提出した。悪化する財政赤字を公正に推計する機関を国会に置いて中長期の政策を立案する内容で「常に財政再建への厳しいチェック、目配りは必要」と訴えた。

 中国海警局船に武器使用を認めた海警法の施行で脅威が高まる沖縄県・尖閣諸島周辺を巡っては、現行法で不十分として海上保安庁と自衛隊の切れ目のない対応を求め、2月の予算委員会で菅義偉首相に論戦を挑んだ。議員立法を党内で近くまとめ、党派を超えて今国会での提出を目指す。

 1993年の初当選以来こだわる「改革保守」の色をより鮮明に押し出せているのは、共通の考えを持った政党に属しているからこそという。閣僚や党代表に若くして就いた旧民主党の頃は「いろんな意見の人に配慮しないといけなかった」と胸中を語る。政策提案に力を入れる国民は所属議員が少なく、代表代行の前原氏も常任委員会で他党の若手に混じり、頻繁に質問に立つ。「これだけ国会で質問しているのは当選以来初めて」とこぼすほどだ。

 一方、国民の政党支持率は1%前後と低迷。前原グループと呼ばれた旧民主系の「凌雲会」は昨年、同志が立民にそろって合流し活動を事実上休止した。同じ京都選出で立民の福山哲郎幹事長(参院京都選挙区)や泉健太政調会長(衆院京都3区)が国会内で番記者を引き連れ、野党のキーマンになっているのとは対照的に、前原氏の存在感低下をささやく声もある。

 前原氏は「人生、いい時もあればそうでない時もある。もう一度政権与党の中枢にとの思いは持ち続けながら、今は議員として社会問題を解決する本質的な議論をしていく」と再起へ爪を研ぐ。