京都市は、新たに「別荘税(仮称)」の導入を目指す方針だ。

 別荘や空き家など保有しながら暮らしていない「非居住住宅」を対象に法定外普通税として課税する。税収増と併せ、市街地の空洞化対策としても期待している。

 一方で課税対象を把握しにくく、公平性や透明性をいかに担保するのか。税額算定や徴税コストなど課題は少なくない。新たな税収をどう活用するかを含め、誰もが納得できる仕組みにする必要がある。

 市の有識者委員会がまとめた新税導入を求める答申案によると、対象は約1万7千件を想定。京町家や賃貸・売却予定の物件などは免除する。税額の算定法は、資産額や床面積に応じて課税するなど3案を提示しているものの、一長一短がある。税収は年間約8~20億円を見込んでいる。

 別荘税は門川大作市長が昨年2月の市長選で導入検討を公約。市は来月にも答申を受け、2018年に新設した宿泊税に続く新税として、名称を含め具体的な制度設計を進める方針だ。

 国内では静岡県熱海市が1976年から「別荘等所有税」を課しているが、実現すれば大都市での実施は初めてとなる。

 別荘税に対し「空き家の活用を妨げる」「固定資産税との二重課税だ」などと反対意見もある。週末だけ別荘を利用するといった所有者にも道路や水道など公共施設整備の受益に見合った負担を求める考えは理解できる。

 市の新年度当初予算案の編成時に、収支不足は451億円に上った。公共事業の先送りなどで財源を捻出したが、財政難は常態化しており、貴重な財源と言える。

 居住を促進することで市内の不動産の有効活用につなげ、就職や子育ての世代の人口流出に歯止めをかける狙いもある。背景には若い世代が京都で暮らしたくとも手頃な住まいを確保できない厳しい実態があるからだ。

 市によると、近年の観光ブームを受け、首都圏や海外の富裕層がマンションや空き家を別荘として買い競い、価格が急騰。入居予定のない物件が増えている。新税を市街地の空洞化に歯止めをかける強いメッセージにすることができるのか。実効性が試される。

 注目されるのが使い道だ。地方が独自に定めることができる分、使途にも責任を持つ必要がある。市は議論を尽くし、日常生活を送る市民と、非日常を楽しむ入洛者が互いに快適に過ごせる地域づくりを先駆的に進めてもらいたい。