腹帯観音菩薩に腹帯を当てる小川さん。約1週間巻いて安産を祈願する(長浜市西浅井町・大浦十一面観音堂)

腹帯観音菩薩に腹帯を当てる小川さん。約1週間巻いて安産を祈願する(長浜市西浅井町・大浦十一面観音堂)

 滋賀県長浜市西浅井町大浦の大浦十一面腹帯観音堂で、拝観しなくても腹帯を郵送すると祈願してもらえる安産祈願が増えている。新型コロナウイルス感染防止のため外出を控えたり帰省できなかったりする妊婦らに好評で、世話人は「今後はカメラを据え、リモートで祈願ができるようにしたい」と話す。

 本尊の十一面腹帯観音菩薩(ぼさつ)(高さ約160センチ)は平安初期の作と伝わる。1570年の姉川合戦時、戦火を免れるため現在の観音堂に近い大浦八幡宮の蓮池に沈められたとされるが、88年後に別の池で見つかった。

 泥まみれの観音はさらしで清められ、その布を腹帯として妊婦に分けたところ皆が安産だったという。言い伝えが受け継がれ、観音のおなかに巻いて祈願する腹帯が安産のお守りとして知られる。上皇后美智子さま、皇后雅子さまのご懐妊の際に献納された。

 現在、観音堂は無住で世話人が守る。例年は子宝・安産祈願やお礼参りで約2千人が参拝。観光客を合わせると計約5千人が訪れていたが、コロナ禍で昨春以降の観光客はほぼゼロに。安産祈願も減る一方、昨年11月ごろから問い合わせが増え始め、祈願者の3割近くが腹帯や妊婦帯を送って祈願してもらっている。

 世話人が約1週間、観音のおなかに腹帯を巻いて安産を祈願。腹帯と併せて観音を印刷したさらしも返送している。

 観音は2003年に盗難に遭ったが、住民たちが取り戻したという。世話人の小川俊之さん(55)は「観音さんは不思議な力を秘めている。世話人が腹帯を巻かせていただくので遠方で拝観できなくても御利益は十分あります」と話す。

 腹帯は参拝、郵送とも希望日の1週間前に発送する。いずれも予約が必要。同観音堂090(5256)8143。