京都地方裁判所

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 全身の筋力が低下する難病、筋ジストロフィー患者の会社役員の男性(27)=京都市上京区、米国籍=が、車いすでの日常生活に必要な追加機能に伴う費用を支給しなかったのは違法として、京都市に決定取り消しを求めた訴訟の判決が16日、京都地裁であった。増森珠美裁判長は「日常生活を送る上で必要不可欠」として請求を一部認め、市に対し、高さを調整するリフト機能の費用の支給を命じた。

 判決によると、男性は体に合った新たな電動車いすを購入するため、障害者総合支援法に基づき2014年11月、リフト機能や、頭を支えるネックサポート機能などを含んだ電動車いすの購入費を京都市に申請した。市は電動車いすの費用は認めたものの、追加機能の費用約6万7千円は不支給とした。

 男性側は、車いすに座った状態では目線が高さ104センチ程度で、リフト機能は現金自動預払機(ATM)の操作や人混みでの視界確保など社会生活に不可欠と主張。申請当時は京都精華大で漫画を学んでプロを目指しており、さまざまな視点が画力を磨くために必要とも訴えていた。

 市側は医学的な必要性がなく、24時間訪問介護を利用しており、リフト機能の必要性は認められないと反論していた。

 判決理由で増森裁判長は「見上げたり腕を持ち上げたりできない原告にとってリフト機能がこれらの代わりになる」と述べ、日常生活に不可欠と指摘。リフト機能がなければ体に負荷がかかるという医学的観点や、大学の実習においても必要性があったと認定した。一方、ネックサポートなどは、別の部品と機能が重複するとして、原告側の請求を退けた。

 判決を受けて市障害保健福祉推進室は「主張の一部が認められず残念な判決と認識している。今後については判決文を確認の上、判断する」とコメントした。