米国のバイデン政権発足後、わずか2カ月足らずで開かれた。日米双方の強い危機感の表れと考えられよう。

 日米両政府の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)である。

 覇権主義的な動きをやめない中国に、どう対応していくかが、主たる議題となった。

 発表された共同文書では、中国を名指しし、ルールに基づく国際体制を損ない、他者を威圧する行動に反対する、と宣言した。

 名指しは、異例のことだとされる。中国の態度を、かえって硬化させるとの心配もあろう。

 しかし中国は、インド太平洋地域で、急速に軍事的な優位を達成しようとしている。

 ここで、日米がしっかりとした主張をしておかねば、この地域の安全保障にとって、取り返しのつかない事態となる、と判断したといえる。

 共同文書は、沖縄県・尖閣諸島が、米国による防衛義務を定めた日米安保条約の適用対象だと再確認した。そのうえで中国が、尖閣周辺の領海に侵入する海警局の船に、武器使用を認める海警法を施行したのは、地域の混乱を招くとして、深刻な懸念を表明した。

 南シナ海情勢については、海洋権益を巡る中国の不法な活動への反対を明言。さらに、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、香港と新疆ウイグル自治区での人権状況を憂慮した。

 いずれの行為も覇権主義的であり、反対するのは、当然のことではないか。

 押さえておきたいのは、これらの主張が米国の前政権のように、「自国第一」の思いだけから出たものではないことである。

 今回の2プラス2に先駆け、日本、米国、オーストラリア、インドの4カ国(Quad=クアッド)は先週、テレビ会議方式で初の首脳会合を開催した。

 この際も、民主的価値に支えられ、威圧に制約されないインド太平洋地域の実現に向けて尽力するとの声明を出した。名指しこそしないが、明らかに中国へのけん制だ。

 米国の国務、国防両長官は、韓国でも2プラス2に臨み、こうした情勢に関する認識を、共有するとみられる。

 国際社会は、自国の利益ばかりを追求しがちな中国の活動の正当性を疑っている。きょう行われる米中外交トップの会談では、中国側に、地域の緊張を和らげるような態度を示してもらいたい。