琵琶湖の食物連鎖について研究成果を説明する佐藤祐一主任研究員(大津市におの浜1丁目・ピアザ淡海)

琵琶湖の食物連鎖について研究成果を説明する佐藤祐一主任研究員(大津市におの浜1丁目・ピアザ淡海)

 琵琶湖に関する最新の研究成果を市民に発信する「びわ湖セミナー」が1日、大津市におの浜1丁目のピアザ淡海で開かれた。「水清ければ魚棲(す)まず」の故事通り、水質と魚の生息量は連動するのか。生態系保全と水質の関係性をテーマに、研究者が検証結果を披露した。

 「水清ければ~は本当なのでしょうか」。県琵琶湖環境科学研究センター(大津市)の主任研究員佐藤祐一さん(40)が来場者に語りかけた。

 琵琶湖では1977年の赤潮発生以降、富栄養化対策でチッソやリンの流入量を抑えてきた。水質は改善したが漁獲量は減り、水中の植物プランクトンの餌となるチッソなどが欠乏する「貧栄養化」が疑われている、と説明した。

 それが本当か調べるため、佐藤さんは計算式によるシミュレーションを実施。琵琶湖にチッソ流入量を増やしても、魚の生息量は横ばいか減少する結果が出た。「富栄養になっても魚が増えるとはいえないのでは」と見解を示した。

 佐藤さんは、湖内の食物連鎖が効率よく循環することが大事だと指摘した。近年、動物プランクトンが捕食できないほど大きい植物プランクトンが出現。宴会に例えると「おいしくない食事」で参加者(魚)が少ない状態といい、「餌(チッソなど)の量ではなく質やサイズが重要だ」とまとめた。

 セミナーは同センターが毎年開いており、県内外の市民や研究者ら約170人が集まった。他にも研究者4人が琵琶湖の水質管理手法などについて発表した。