「養子」の子ども(左)に授乳するボノボの雌=2019年7月、コンゴ民主共和国(徳山助教提供)

「養子」の子ども(左)に授乳するボノボの雌=2019年7月、コンゴ民主共和国(徳山助教提供)

 アフリカに生息する野生のボノボが他の群れの子どもを「養子」にした現象を発見したと、京都大のグループが発表した。野生の類人猿では、自身が属する群れの中での養子は観察されていたが、他の群れからは初めてという。成果は19日、英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載される。

 哺乳類では母親を失った子どもに別の雌が授乳するなど、養子行動が一定観察されてきた。しかし多くは死んだ母親と血縁関係などにある同じ群れの雌が母親代わりになる形で、少なくとも類人猿では、他の群れから養子を取るケースは観察されていなかった。

 京大霊長類研究所の徳山奈帆子助教らは、コンゴ民主共和国で複数のボノボの群れの観察を続ける中、2019年4月と同年10月、それぞれ別の「養子縁組」のケースを見つけた。いずれも異なる群れにいたとみられる推定2~3歳の雌の子どもを血縁関係にない成年の雌が養子にし、抱きかかえて運んだり一緒に寝たりして育てていた。1組は授乳もしていた。

 徳山助教は「進化の中で、見知らぬ個体をケアする行動の在り方を考える上で意義が大きい」と話している。