新型コロナウイルス対策のため首都圏1都3県に発令中の緊急事態宣言について、政府は期限となる21日までで解除することを決めた。

 今回の宣言は、1月8日の再発令から2回の延長を経て2カ月半で終えることになる。

 菅義偉首相は、病床使用率など医療体制の逼迫(ひっぱく)状況が改善していることを強調した。宣言の目安となる感染状況が最も深刻な「ステージ4」(爆発的感染拡大)は、すべての指標で脱している。

 ただ、宣言発令後に続いてきた新規感染者数の減少ペースは鈍っている。18日の感染者は東京都で323人に上り、直近7日間の平均は前週を上回った。

 先行解除した近畿圏でも微増傾向がうかがえ、宮城県では過去最多を更新した。リバウンド(感染再拡大)が強く危惧(きぐ)される中での解除と言わざるを得ない。

 背景には、長引く宣言に対する「慣れ」や「疲れ」もあったとされる。自粛要請が形骸化して人出が増え、これ以上宣言を続けるだけでは手詰まりとの声が上がっていた。

 この間、政府は外出や会食などの自粛を求めてきたが、与党議員の銀座訪問問題などが発覚し、国民の反発や緩みを招いた面も否めない。

 解除に当たり、政府は医療提供や検査の体制拡充などを柱とする新たな施策を打ち出した。

 対象地域の飲食店に出している午後8時までの営業時間短縮要請も、当面は1時間の繰り下げにとどめる。外国人の新規入国を原則認めない措置も継続する。

 これまでの宣言の効果や課題を検証した上で、新たな取り組みの実効性について丁寧に説明し、協力を求める必要がある。「第4波」を何とか食い止めなければならない。

 変異株の急速な拡大は大きな懸念材料だ。感染者は京滋をはじめ全国に広がり、死者も出ている。感染力が強く、今後は主流になると専門家は指摘している。

 歓送迎会や春の行楽が本格化する時期である。政府は、改正特別措置法で新設した「まん延防止等重点措置」を現時点では実施しない方針だが、リバウンドを抑え込む具体策を示さねばならない。

 コロナ対策の切り札とされてきたワクチン接種は、希望者全体に行き渡るスケジュールが見通せていない。再拡大を防ぐため、3密の回避など身近な対策も引き続き徹底が欠かせない。