「来年の時代祭は中止されることになった」という会話を、ちまたで聞いたのは昨年の今頃である。本当ならばニュースになるのに、覚えがない。案の定、フェイクであった▼桓武天皇が京都に都を移したとされる10月22日に行われるので、その日になければ中止と決め付けてしまったのだろう。確認した後、正しくは26日に延期と指摘しておいた▼延期になったのは、同じ日に天皇陛下の「即位礼正殿の儀」が執り行われるからだという。関係者は市民とともに、お祝いすることになった。知事らが、陛下のもとへ行きそうな様子も察知したとみられる▼平安遷都1100年を記念して明治期に始まった時代祭は、過去に14回も延期されている。荒天の場合が多いものの、昭和天皇の京都訪問が、理由になったこともある。世情には、柔軟に対応してきたといえよう▼室町幕府を開いた足利尊氏を「逆賊」とみなす風潮もあって、行列にその時代はなかった。しかし「北山、東山文化が登場しないのはおかしい」と声が上がり、2007年に「室町時代列」を新設した▼いずれは大正、昭和、平成時代が加わるのかもしれない。変わらず生きるには変わらねばならない、との言葉を思い起こす。即位関連行事の方も、やがて前例踏襲だけでは済まなくなりそうだ。