下部から倒された東本願寺ロサンゼルス別院の金属製の灯籠(真宗大谷派提供)

下部から倒された東本願寺ロサンゼルス別院の金属製の灯籠(真宗大谷派提供)

放火された東本願寺ロサンゼルス別院の提灯立て。焦げた部材が散乱している(真宗大谷派提供)

放火された東本願寺ロサンゼルス別院の提灯立て。焦げた部材が散乱している(真宗大谷派提供)

 今年2月下旬、米国ロサンゼルスにある東本願寺ロサンゼルス別院の提灯立て2基が放火され、金属製の灯籠2基や窓ガラスが壊された。京都新聞社は19日、倒壊した灯籠などの写真を入手した。現地の警察は、憎悪犯罪(ヘイトクライム)の疑いがあるとみている。

 別院を統括する真宗大谷派(本山・東本願寺、京都市下京区)の広報によると、現地時間2月25日午後7時(日本時間26日正午)ごろ、職員がガラスが割れる音に気づいた。職員が駆けつけると、別院の入り口付近にある木製の提灯立てが燃やされているのを発見し、すぐに消し止めた。ほかにも近くにある灯籠が倒され、入り口の窓ガラスが割られているのを確認した。当時、別院には参拝者はおらず、けが人はいなかった。

 事件直後に撮影された写真では、灯籠が下部から倒されている状況や、提灯立てが焦げている様子がうかがえる。

 現地の警察は、別院に対し、ヘイトクライムの疑いで捜査を進めていると説明したという。米国では、新型コロナウイルスの流行をきっかけに、アジア系住民へのヘイトクライムや嫌がらせ行為が急増している。

 別院の事実上のトップ伊東憲昭輪番は、事件を受けて、宗祖親鸞の教えなどを引用し「私たちは一緒に暮らすすべての人を認め、共生する必要がある」とする英語の声明をホームページに掲載した。

 ロサンゼルス別院はハワイ(米国)、サンパウロ(ブラジル)と並び、大谷派に三つある海外の別院の一つ。同派が設ける北米開教区の拠点寺院で1921年に設置され、現在地には76年に移転した。