網に入ったナマコを確認する漁師(宮津市漁師)

網に入ったナマコを確認する漁師(宮津市漁師)

 京都府北部・丹後地方にある宮津市の宮津湾で漁を営む宮津ナマコ組合が取り組んできたナマコの資源管理が成果を上げている。海外の需要の高まりによる乱獲で一時漁獲量が激減したが、休漁日や漁獲量の上限を定めることで湾内の個体数は回復しつつある。品質の良いナマコを出荷できるようになり、資源管理の成功例として注目を集めている。

 ナマコは中華料理の高級食材で珍重されるほか、丹後でも珍味として古くから食されている。宮津湾の漁期は12月1日から翌年4月30日で、水深5~20メートルの海底に網を引くけた網漁と、専用の道具で海底をのぞきながら捕る水視漁法がある。


 2006年以降、中国からの需要が増え、07年の漁獲量は44トンと例年の約5倍に増える一方、平均単価が低下。08年からは乱獲で漁獲量も減り、資源の枯渇が危ぶまれた。


 これを受け、地元の漁師らが主体になり、12年にナマコ漁の自主制限を始めた。漁期や漁の時間を短縮した上、出荷サイズを300グラム以上にし、出荷量も基準を設けた。府海洋センターや京都大舞鶴水産実験所とも連携し、漁期前に資源量の調査を行ってきた。


 近年は資源量が安定し、主導した本藤靖さん(59)は「漁師全員に納得してもらうのは簡単でなかったが、みんなで協力することで成果が出始めた」と言う。厳しい取り組みによって宮津産ナマコの価値が上がり、キロ単価は約1200円と乱獲期に比べ3倍以上に。漁獲高も規制前の1・4倍に回復した。


 活動が評価され、18年には農林水産大臣賞を受賞し、全国から視察も相次ぐ。宮津ナマコ組合代表福井寿雄さん(72)は「海の中は見えないからこそ漁の基準を定めることは大事。このような取り組みが広がっていけばいい」と話している。