2月の試飲会で「花乃伊吹」をPRする佐藤さん、日向会長、中川さん(左から)=米原市池下

2月の試飲会で「花乃伊吹」をPRする佐藤さん、日向会長、中川さん(左から)=米原市池下

 「米原の地酒」を生み出そうと、滋賀県の米原市商工会が中心となって昨春から取り組む新酒「花乃伊吹」が完成した。市内産の酒米と伊吹山の伏流水を使って醸造し、濃厚な味が特徴のこだわりの一品に仕上げた。4月23日から市内の酒販店やスーパーで販売し、市の新たな特産品となることを目指す。

 市によると、市内には十数年前まで16軒の造り酒屋があったが、いずれも現在は醸造をやめている。市民や観光客に親しまれる地酒で地域活性化を図ろうと、市商工会と市、市内の農家中川薫さん(69)、長浜市で造り酒屋「佐藤酒造」を営む佐藤硬史さん(47)が連携し、昨年2月から酒造りを始めた。

 中川さんが、31アールの田で、減農薬にこだわり栽培した酒米「吟吹雪」約770キロを昨秋に収穫。年明けから、佐藤さんが伊吹山の伏流水で仕込み、純米吟醸酒として完成させた。720ミリリットル入り約1100本を発売する見込み。値段は1500円(税別)を予定。ラベルは米原市内のデザイン会社に依頼した。

 2月下旬の試飲会で、関係者らに熱処理前の原酒が振る舞われた。佐藤さんは「野菜の煮物や湖魚の甘露煮など、湖北地域のしっかりした味の料理に合うよう、米の濃厚なうま味を引き出した」とこだわりを説明した。

 来年以降も継続して生産するといい、中川さんは「肥料のやり方など工夫してさらに収穫量を増やしたい」と意気込む。日向寛市商工会長(81)は「名前の由来となった伊吹山のように、多くの人に愛される銘柄になれば」と期待している。