大津地裁

大津地裁

 10代の娘にわいせつな行為をしたとして、強制性交と強制わいせつの罪に問われた滋賀県内の50代の外国人男性の判決が22日、大津地裁で開かれた。大西直樹裁判長は「被害者の証言は信用性に疑問があり、虚偽を述べた可能性も否定できない」として、無罪(求刑懲役7年)を言い渡した。

 公判では、犯行を目撃した家族や客観証拠がなく、娘の供述の信用性が争点だった。男性は「身に覚えがない」と起訴内容を全面否認し、弁護側は「娘はテストの点が悪かったことによる父親からの体罰を恐れ、虚偽の供述をした」などと無罪を主張していた。

 大西裁判長は判決理由で、娘が申告した被害の時期やわいせつ行為の特徴的な内容は、捜査段階と公判での証人尋問で「枢要部分が変遷し、勘違いでは説明し尽くせない」と指摘。被害を受けたとされる時期に、けがをして男性から入浴介助を受けたり、記念撮影の際に自ら男性の膝の上に乗ったりした点に触れ、「不自然であるとの印象を拭い去れない」とした。

 また、娘が被害があったとされる時期から1年以上経過してから申告した点にも言及。テストを巡り、男性から「点数が悪ければむちでたたく」と言われる中、答案の返却日に教員に被害を明かした経緯に触れ、「家に帰りたくない一心でうそをついたと考えても不自然とはいえない」と説明。その上で、「事が大きくなる中、申告の撤回に抵抗感を覚え、供述を(変遷させながら)維持したことは自然といえる」とした。

 男性は2017年12月~18年4月ごろ、県内の自宅で当時12歳だった娘にわいせつ行為をしたなどとして、起訴された。

 判決を受け、大津地検の山上真由美次席検事は「判決内容を精査し、適切に対応したい」との談話を出した。