大津地裁

大津地裁

 10代の娘にわいせつな行為をしたとして強制性交などの罪に問われ、22日に大津地裁で無罪判決を受けた外国人男性は、判決後に京都新聞社の取材に応じた。男性は「やっと無罪の主張を聞いてもらえてほっとした」と落ちついた表情で話した。弁護人によると、男性は2019年8月に滋賀県警に逮捕されて以降、約1年3カ月もの間、身柄を拘束された。

 弁護人の説明では、男性は日本語がほとんど話せず、取り調べでは通訳人を介して否認していた。逮捕後には、刑事に「上司への報告用で裁判では使わない」と促され、内容が分からない供述調書に署名、押印させられた。通訳人にも「娘に会えなくなる。話した方がいい」と告げられたという。

 弁護人は「男性は捜査段階から『不当な取り調べを受けている』『通訳が中立ではなく代えてほしい』と訴えていた。誤った供述調書を受け、検察が起訴したことも今回の大きな問題だ」と捜査機関を批判した。

 男性は法廷を出た後、妻ら親族と抱き合って喜びをかみしめる一方で、「説明も不明瞭な中、身に覚えがないことで逮捕された。しっかり捜査してほしかった」と真剣な面持ちで話した。そして、娘について問われると、「許して受け入れる準備はできている」と穏やかに語った。

 男性は2017年12月~18年4月ごろ、県内の自宅で当時12歳だった娘にわいせつ行為をしたなどとして、強制性交と強制わいせつの罪で起訴された。22日の大津地裁判決は「被害者の証言は信用性に疑問が残り、虚偽供述の動機があった可能性も否定できない」として、無罪(求刑懲役7年)を言い渡した。