倒木などを活用してできたシイタケを収穫する叡山電鉄の社員。今後さらに生産量を増やし、販路も拡大したいという(京都市左京区)

倒木などを活用してできたシイタケを収穫する叡山電鉄の社員。今後さらに生産量を増やし、販路も拡大したいという(京都市左京区)

収穫したシイタケは乾燥させ、「えいでん原木しいたけ」として売り出している

収穫したシイタケは乾燥させ、「えいでん原木しいたけ」として売り出している

 叡山電鉄(京都市左京区)が、沿線の倒木や間伐材などを活用して、シイタケ栽培に取り組んでいる。社員が菌打ちから収穫、加工までを担い、同社の土産品「えいでん原木しいたけ」として季節限定で販売。沿線の環境は栽培にも適しており、同社は「自然に恵まれた叡電の魅力発信につなげたい」と可能性を探る。

 叡電鞍馬線は周囲に山林が多く、線路近くに伸びた枝葉や倒木を定期的に伐採して処分してきた。こうした樹木を再利用できないか社員有志で検討したところ、クヌギやコナラなどがシイタケ栽培に適していることが分かり、2017年にまず原木約20本に菌打ちを試した。

 その後、インターネットで情報を集めたり、視察に行ったりと社としても本腰を入れ始め、沿線の遊休地(約180平方メートル)を栽培用に整備。近くに川が流れて夏でも涼しいほか、適度に湿度が保たれ、生育に合っているといい、18年秋に初の収穫を迎えた。

 シイタケの大きさは直径6~10センチほどで、「肉厚でおいしい」と評判という。翌年以降は秋から春にかけて採って乾燥させ、干しシイタケとして出町柳駅や八瀬比叡山口駅前などで売り出している。

 シイタケのほだ木は約600本に増え、今春は5千個近くの収穫を見込んでいる。コロナ禍による乗客の減少や、昨夏の土砂災害で一部区間の運休が続く苦境の中、叡電のブランド力や収益の向上に向けて生産量をさらに増やし、販路の拡大も目指す。

 同社鉄道部の山田泰永部長は「自然任せの栽培で天候に左右されがちだが、菌の種類もいろいろと試しており、品質をさらに高めたい。多くの人に喜んでもらえるよう、将来は収穫体験などもできたら」と青写真を描く。1袋60グラム入りで千円。問い合わせは同社075(702)8110。