全日本選手権でピストルを持つ山田(東京都北区・ナショナルトレーニングセンターイースト)

全日本選手権でピストルを持つ山田(東京都北区・ナショナルトレーニングセンターイースト)

 ライフル射撃のピストル種目で女子ナショナルチームの山田聡子(自衛隊、水口高出)が、不退転の決意で東京五輪に狙いを定めている。「五輪でメダルを取るため」と、6年前の高校卒業時に親の反対を押し切って自衛隊に入隊。24歳のシューターは、五輪出場枠が懸かる11月のアジア選手権で飛躍を期す。

 今季はワールドカップで予選敗退が続く。10月中旬の全日本選手権は、25メートルピストルで7位。イメージと弾着のずれがもどかしいようで、試合後の取材に涙をこぼした。「パズルで言うと一つのピースが欠けている状態。あとはそれを埋めるだけ」と自らに言い聞かせるように話した。
 前回のリオデジャネイロ五輪は、あと一歩のところで代表入りを逃した。「自分のやりたいように撃つだけでは勝てない」と学んだ。標的を見て、狙って、引き金を引く。ピストル種目はこの三つ全てをコントロールしてこそ、ハイスコアが出る。国内屈指のトレーニング環境が整う自衛隊体育学校(埼玉県)で心身を鍛えてきた。
 甲賀市出身。地元の水口高ではライフル種目と掛け持ちして、全国高校総体や国体を制した。ジュニアの国際大会に出て世界の強さと連帯を体感し、「絶対にオリンピックに出るという気持ちが高校の時から人一倍ある」。その近道が自衛隊と考えた。大学進学を勧める母と「毎日けんかをして」まで自らの意志を伝え、説得した。
 25メートルピストルと10メートルエアピストルの両方で五輪を狙う山田にとって、11月は正念場となる。上位に入れば開催国枠に加えて日本の出場枠が増えるアジア選手権(カタール)を皮切りに、東京五輪代表の1次選考会が続く。
 湖国で暮らす家族の応援が何よりの支えだ。射場を離れると笑みを絶やさず、朗らかな人柄がにじみ出る。「自分はここぞという時に力を出せる選手。射撃のセンスはなくても、目標に向かってぶれずに努力できる才能がある」。自分を信じて、引き金を引き続ける。