交通の要衝として製造業などが集まる久御山町。国道1号では大型トラックが頻繁に行き交う(同町森)

交通の要衝として製造業などが集まる久御山町。国道1号では大型トラックが頻繁に行き交う(同町森)

久御山町の財政力指数

久御山町の財政力指数

 京都府久御山町は2021年度に、50年連続で地方交付税を受け取らない不交付団体となる見通しとなった。1960年代後半から交通の要衝として製造業が集積し、豊富な町税を得てきた。72年度から不交付団体となり、現在は府内唯一。専門家は「これほど続くのは全国的にも極めてまれ。不況下でも減りづらい企業からの固定資産税収入に強く支えられている」とする。

■別荘地の軽井沢町も

 人口約1万6千人の久御山町内に製造業の事業所は251カ所あり(経済産業省2019年工業統計)、府内では京都市と宇治市に次いで多い。総務省交付税課は「各自治体の歴史をさかのぼる分析はしておらず、不交付の連続年数に関する統計はない」とするが、京都新聞の調査によると、別荘地として知られ、多額の固定資産税収入を得ている長野県軽井沢町で1974年度から47年間不交付が続いている例がある。

 久御山町は54年、旧2村が合併して誕生した。当初は財政難に苦しみ、民間の倒産企業に当たる「財政再建団体」にも指定された。転機は町の中央部を縦断する国道1号枚方バイパスの開通(66年)。京都や大阪に近い利便性を求め、現在のコカ・コーラボトラーズジャパンの京都工場などが相次いで進出する。

 72年度までの6年間で町税収入が約9倍になり、財政基盤の健全度合いを示す「財政力指数」も1・12と府内自治体で初めて1を超え、不交付団体となった。戦時中の京都飛行場跡地で積極的に工業専用地域を設けるとさらに企業進出が続き、75年度には同指数が1・65と最高値に。バブル期の90年度には法人税収入が10億円を超えた

固定資産税、大きく落ち込まず

 一方で2008年のリーマン・ショックや新型コロナウイルス感染拡大などによる企業の業績悪化の影響も受けるが、大型設備を抱える企業からの固定資産税収入は大きく落ち込むことがなく、21年度も27億8千万円と堅調で同指数は1・17を見込む。信貴康孝町長は「ポテンシャルは依然として高く、さらに(町を)進化させる土地利用を進めたい」と述べる。

 関西学院大の小西砂千夫教授(財政学)は「久御山町は面積が狭いため(公共事業にかかる)財政需要が小さいという背景もある。当面は不交付が続くのではないか」とする。