滋賀県庁

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 滋賀県甲良町議会が野瀬喜久男町長の給与を60%削減する条例改正の議決に対し、町長が三日月大造滋賀県知事に取り消しを求めた審査の申し立てについて、県は24日、議決を取り消す裁定をしたと発表した。裁定は23日付。町議会の議決は地方自治法などの法令に反すると判断した。県によると、市町村議会の議決を巡る裁定は県内で記録が残る平成以降で初めて。

 裁定は同法に基づいており、町職員の事務処理ミスなどの監督責任を問い、町議会が昨年11月の臨時会で議決した町長給与を半年間60%削減する改正条例が無効になる。町長給与の減額幅は24日から、昨年3月定例会で議決された改正条例による40%に戻る。

 裁定理由では、責任追及の手段としての議会側による一方的な減給は「両者を対等とみなす地方自治制度で許容できず法令違反」とした上で、同法に規定されない議会による首長への懲戒に当たる、とした。

 野瀬町長は「適切な裁定でほっとしている」との談話を発表。同法は、議会が60日以内に裁定取り消しを求めて裁判所に提訴できると定めており、山田裕康議長は「内容を検討して対応したい」とした。

 同町の町長給与を巡っては、2017年10月に初当選した野瀬町長に対し、前町長派の町議らが反発。18年4月以降、町長自身の選挙ビラの虚偽記載や選挙収支報告書の記載ミスのほか、町職員の不祥事などを理由に計6回、給与を減額する改正条例を議員発議で成立させた。野瀬町長は昨年12月定例会での「60%削減」改正条例案の再可決後、三日月知事に議決の取り消しを求め申し立てを行った。知事は有識者3人の審査を踏まえ裁定した。

 首長の給与減額に対する知事への審査申し立ては岡山県加茂町(1995年)、神奈川県逗子市(2004年)などで行われている。