多彩な立て看板が並んでいた京都大吉田キャンパスの石垣(2018年)

多彩な立て看板が並んでいた京都大吉田キャンパスの石垣(2018年)

 京都市の屋外広告物条例を基に京都大(京都市左京区)がキャンパス周辺での立て看板の設置を禁じている問題で、京大職員組合は25日、同条例は表現の自由を定めた憲法に違反するなどとして、市と京大を相手に慰謝料500万円を求めて提訴すると発表した。4月中にも京都地裁に訴えを起こす。

 京大周辺の「名物」だった立て看板を巡っては、市の指導を受けた京大が看板設置を指定場所に限定。違反した看板は撤去するというルールを2018年5月から適用している。

 同組合は遅くとも1960年にはキャンパス内外に立て看板を掲出してきた。だが2018年5月と20年6月、道路に面した京大敷地に設置した組合の活動内容を紹介する看板を京大に撤去されたという。

 来月起こす訴訟では「条例では規制の対象が不明確で、表現の場の確保には配慮すべきなのに合憲的な範囲を超えて過度に広範に規制している」として違憲で無効と主張する予定。さらに「立て看板は組合の維持や運営に必要不可欠」と、市の指導や京大による撤去は労働基本権も侵害しているなどと訴えるという。

 同組合副中央執行委員長の高山佳奈子教授は25日に左京区内で会見し「組合だけでなく、学生や地域住民ら立て看板に関わる人々や社会的な広がりを考え、表現の自由を正面から主張したい」と話した。

 屋外広告物について所管する市広告景観づくり推進課や京大は「内容を承知しておらず、コメントはありません」としている。