京都市が新年度に休廃止・削減する主な事業や補助金と財源捻出額

京都市が新年度に休廃止・削減する主な事業や補助金と財源捻出額

 財政が逼迫(ひっぱく)する京都市は新年度、福祉や教育、文化など幅広い分野の事業や補助金約100件を休廃止・削減する。市は13億円余りの財源が捻出できるとするが、独自施策として長年にわたって続けてきた事業もあり、住民サービス低下は避けられない。市議会は26日、こうした歳出削減を反映した新年度一般会計当初予算案を採決し、賛成多数で可決する見通しだ。

 事業の休廃止は46件で計5億1800万円、補助金の見直しは51件で計8億3600万円。財政難のため全庁的に進めている行財政改革の一環で、市行財政局は「国の制度や基準を上回り、市が独自に行ってきた施策を中心にカットする」としている。

 福祉分野では、子どもがいる生活保護受給世帯に支給する「修学旅行援助金」の廃止が決まった。1982年に始まった制度で、修学旅行先での「小遣い」として小学生に2千円、中学生に2500円を支給してきた。2019年度の対象者は717人。市は廃止理由について、家計が苦しい小中学生の保護者に学用品代や修学旅行代などを補助する就学援助制度があるためと説明する。

 30代の女性が乳がん検診を受ける際の超音波(エコー)検査の費用助成も廃止となった。一般的にエコー検査には5千円程度かかるが、希望者は1300円で検査が受けられ、市がその差額を負担していた。19年度は2021人が受診し、うち1人でがんが見つかっている。廃止で820万円が捻出できるというが、受診者が減って発見の遅れにつながる懸念がある。

 子育て・教育関連では、障害のある中高生を放課後に預かるタイムケア事業の実施施設を5カ所から2カ所に減らし、880万円を浮かす。放課後等デイサービスが充実して利用者が年々減っているためで、新年度中には残る2カ所も閉鎖する予定という。

 市立21図書館の図書購入費は例年合わせて約2億円を確保してきたが、370万円をカットする。年間約8万冊の書籍を購入しており、単純計算で約1600冊が買えなくなる。図書購入費削減は近年避けてきたが、市教育委員会は「2%分の削減なので大きな変化はないだろう」とする。

 文化の分野では、市指定文化財の修繕費補助について、予算額を2割カットして4千万円にする。20年度に創設した文化財の防火整備に対する補助金も同様に2割減となる。市は「申請状況によっては1件当たりの補助額が減る可能性がある」としている。

 行財政局が主導した予算削減に対し、事業の担当者からは「これまで市民のためを思って維持してきたが、一律にカットされてしまった」「押し切られてしまい残念だ」との声も上がっている。