揺らめく「希望」の灯がトーチに移された。2011年サッカー女子ワールドカップ(W杯)を制した「なでしこジャパン」の元メンバーら16人が、隊列を組んでゆっくりと走りだす。東京五輪聖火リレーの出発式。第1走者の中には、京都府長岡京市出身の海堀あゆみさん(34)の姿もあった。GKとして世界一に貢献し、現在はスポーツと社会の関わりを学ぶ。「人々にとって前向きな一歩、きっかけになれば」と、聖火ランナーを務めた思いを語る。

 東日本大震災と福島の原発事故から半年後にドイツで行われた女子W杯。米国との決勝では海堀さんがPK戦で好セーブを見せ、沈滞する国内に吉報をもたらした。翌年のロンドン五輪でも銀メダルを獲得した。

 震災から10年。「復興五輪」を掲げて全国を巡る聖火は、なでしこジャパンの「聖地」で、原発事故対応の拠点となった福島県のJヴィレッジから出発した。日本オリンピック委員会の被災地イベントに参加してきた海堀さんは……