はしかの患者数が全国的に急増する中、京都府内でも5年ぶりの流行となり、今年に入り、患者数はすでに8人に上っている。近隣の大阪府や三重県で感染が大規模拡大している上、ウイルスは海外経由のため観光地の京都は訪日外国人増加に伴うリスクも高い。今後さらに流行が広がる可能性があるとして行政や医師らがワクチン接種などの対策を呼び掛けている。

 府健康対策課によると、府内の患者数は2014年に25人が感染したのを最後に、以降は年間1~4人で推移してきた。全国では5日現在で患者数258人と過去10年で最多ペースで増加し、特に大阪や三重といった近畿圏での感染拡大が目立つ。滋賀県でも4人の感染が確認されている。

 はしかは発熱やせき、鼻水といった風邪のような症状の後、いったん熱は少し下がるが再び高熱になり、同時に発疹が現れる。妊娠中にかかると流産・早産の恐れが高まるとの報告もある。京都市伏見区の藤田医院の藤田克寿院長(京都小児科医会長)は、肺炎や脳炎の合併症を起こすケースがあり、重篤化(じゅうとくか)すると死に至る恐れもあるとする。

 日本は15年に世界保健機関(WHO)からはしかウイルスの「排除状態」と認定されており、国内にウイルスが持ち込まれるのは日本人が海外渡航で感染するケースと、外国人の訪日による2パターンしかない。京都と同じ観光地の沖縄県では昨年、はしかを発症した台湾人観光客が訪日、その後に計101人もの大規模感染が発生した。

 府の担当者は「はしかと同じく日本にウイルスのないコレラ、赤痢を含め、観光地ならではの懸念はある」という。潜伏期が10~12日間あるため空港での検疫では把握しきれず、府は早期発見で感染を食い止めることが必要として、観光客の増加する時期ごとに医療機関に「輸入感染症」への注意を呼び掛けている。

 予防には2回のワクチン接種が有効だが、ワクチン接種の機会が1回だけだった20代後半から40代は「はざま世代」とされる。接種には1回数千円~1万円程度かかるが、藤田氏は「(接種履歴が載っている)母子手帳の履歴を確認するなどして、自己防衛のために接種してほしい」と強調している。