京都地方裁判所

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 麻酔で出産の痛みを和らげる無痛分娩(ぶんべん)の施術ミスで、妻(44)と長女(享年6歳)が重い障害を負ったとして、大学教授の男性(58)らが京都府京田辺市の産婦人科医院「ふるき産婦人科」を相手取り計約6億4千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、京都地裁であった。増森珠美裁判長は医院側に約3億円の賠償を命じた。

 訴状によると2012年、妻は同医院で無痛分娩を希望し、脊髄を保護する硬膜の外側に細い管(カテーテル)を差し込み麻酔薬を注入する硬膜外麻酔を受けた。その後に容体が急変し、救急搬送された病院で帝王切開して出産したが、長女は低酸素性虚血性脳症となり、妻は心肺停止後脳症になったとしている。

 原告側は、麻酔の際にカテーテルが硬膜を破って全脊椎麻酔になった可能性があり、麻酔薬も通常の2・5~4倍の量を投与された過失があると主張。医院側は当初、請求棄却を求めて争う姿勢をみせたが、原告側によると、訴訟の途中から過失を認めたという。

 ふるき産婦人科での無痛分娩を巡っては、同様の硬膜外麻酔のミスなどによって母子が重度の後遺症を負ったとして、ほかに2件の損害賠償訴訟が起こされ、1件は18年に大阪高裁で、1件は19年に京都地裁で和解が成立している。