下水を用いた新型コロナウイルスPCR検査のデモンストレーションの様子(京都市中京区・島津テクノリサーチ)

下水を用いた新型コロナウイルスPCR検査のデモンストレーションの様子(京都市中京区・島津テクノリサーチ)

 計測分析機器大手、島津製作所(京都市中京区)の受託分析子会社「島津テクノリサーチ」(同)は26日、高齢者施設などの排水を定期的に検査し、新型コロナウイルス感染者を早期に発見するモニタリングシステム「京都モデル」を開発したと発表した。ウイルスが検出されればPCR検査で陽性者を特定し、クラスター(感染者集団)の発生を防ぐ。京都市内での実証実験を経て、4月末の本格展開を目指す。


 同社は現在、下水と唾液のPCR検査を受託しており、京都モデルでは二つを組み合わせる。まず対象となる施設のトイレの排水から検体を採取し、週1回程度の定期的な検査を実施。陽性反応が出れば、施設職員や利用者に唾液検査を行って感染者を特定し、隔離など適切な処置を行うことで、施設内でのさらなる感染拡大を防ぐ。


 下水による検査は、1万人に1人の割合で感染者がいれば判別が可能で、集団の感染状況を1度に評価できる。また、ふん便には発症前からウイルスが存在するため、流行の兆しを早期につかめる利点がある。


 すでに今月8日から、府や京都市の協力を得て陽性者が滞在する市内2施設で実証実験を始めた。4月末以降の検査サービス開始後は、高齢者施設や病院、学校、ホテル、自治体などによる利用を想定。対象エリアはまず府内から始め、全国に拡大する考えで、環境事業部の八十島誠副事業部長は「京都モデルを個別施設に適用すれば、無症状や発症前の感染者を早期発見でき、医療崩壊の防止にも貢献できる」としている。


 感染再拡大の兆候をつかむモニタリング検査は、政府が2月中旬から緊急事態宣言の解除地域の繁華街などで実施している。また自治体に対し、集団感染が相次ぐ高齢者施設や病院などで定期的に一斉検査を行い、感染者を早期発見する取り組みも要請している。