コンテナに捨てられた空き缶などのごみ

コンテナに捨てられた空き缶などのごみ

 釣り客の駐車方法やごみの捨て方などのマナーに京都府宮津市や伊根町で住民や漁業者、行政が頭を悩ませている。漁協や行政も可能な限りの対応はしているものの、漁港施設の使用を制限する難しさもあり、有効な手だてを打てていないのが現状だ。

 休日になると海に沿って宮津市から伊根町へ向かう国道178号や、その周辺では「大阪」や「なにわ」など京阪神ナンバーの車が止められているのが目に付く。
 伊根町伊根地区では以前、釣り客や観光客が無断で住民用駐車場や、路上に車を止めていたという。住民の要望を受け、町は伊根地区に無料駐車場を設置したものの、テントを張って長時間占有するなどの問題もあり、町は17年に有料化に踏み切った。料金について町は「夜は釣り客の利用が主で、2倍にしている」と話す。
 有料化により、テントを張った長時間利用や駐車問題などが減った一方で、駐車場に併設されるトイレで魚釣りに使う餌や、釣れたイカのスミを流すなどのマナー違反もあるという。伊根町は「夜間や休日は全てに対応するのが難しい。釣り客にマナー意識を向上してもらうほかない」と苦慮している。
 府漁業協同組合養老支所が宮津市から管理を委託されている養老漁港では、漁業者らが路上駐車やごみ問題に加え、漁船や漁具などへの被害でも頭を抱えている。
 はえ縄漁を営む男性(44)=宮津市=は今月、船に積んでいたたも網を盗まれた。
 早朝に暗い中、岸壁と結んだロープで船をたぐり寄せる際、引っかかった釣り針に気付かずにケガをすることもあるという。「勝手に船に乗られ、イカスミまみれにされた人もいる。全て後で分かることで被害届を出してもどうしようもない」と話す。
 宮津市によると、荷さばき場やトイレは漁協が建設したものだが、市が造った施設については「漁業に支障が無い限り、誰でも使用できる。釣り人のみ使用を禁止することはできない」という。「マナー啓発は管理委託している漁協さんにできる範疇(はんちゅう)でお願いしたい」と話す。
 養老漁港では約10年前、ごみ箱を設置していた。しかし、ごみが分別されなかったことからそれ以来設置していない。路上駐車する車には貼り紙をしている。現在はアオリイカのシーズンを迎え、釣り客が多く訪れる。養老支所の担当者は「釣り人に出て行ってとはいえない。早くこの時期が終わってほしい」と嘆いた。