まさに懸念していた事態だ。

 新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が全面解除されて間もないのに、感染のリバウンド(再拡大)が現実になりつつある。

 宣言が22日に解除された首都圏をはじめ、都市部では既に新規感染者が増加傾向を示している。東北、四国などの地方でも感染者の急増地域が続出している。

 これらの自治体は、飲食店の時短営業要請などの対策を続けているが、繁華街の人出が増えて感染リスクを抑え込めていない。手をこまねいていれば、感染「第4波」につながりかねない。

 人が動く年度替わりや花見シーズンの本番を迎える。政府と自治体、私たち一人一人が、強い警戒心を持って対策や備えを再点検し、徹底する必要がある。

 東京都では、新規感染の微増傾向が続き、24日は420人と今月最多となった。有識者らによる都モニタリング会議は「第3波を超える急拡大が危惧される」と警戒感をあらわにした。

 大阪府も直近1週間の感染者数が前週の1・5倍を超える。2月末での宣言解除後も大阪市内の飲食店に出している夜9時までの時短要請を4月から府全域に広げ、同21日まで延長すると決めた。

 感染者が再び100人台に乗った兵庫県も時短要請を4月以降に延長、拡大する方針だ。3月21日で時短要請を終了した京都府と対応が分かれており、府県境を越える人の移動によってリスクが高まらないか注視する必要がある。

 気になるのは、これまで感染者が少なかった地方での急拡大だ。

 宮城、山形、愛媛各県では今週、新規感染者が過去最多を更新。松山市の繁華街で発生したクラスター(感染者集団)では、感染力が強いとされる変異株が見つかった。変異株の全国的な広がりが、感染の再燃につながる懸念が強まっている。

 各県独自の警戒宣言や時短営業の要請にも、感染拡大への歯止めはかかっていない。より強い国の対策を求め、緊急事態宣言前に地域を絞って感染を抑える「まん延防止等重点措置」を検討すべきとの声も出ている。合理的な根拠と基準、補償の裏付けある明確な対策が求められよう。

 変異株を含めた感染再拡大の兆候をいかに早く、広くつかむかが重要だ。繁華街などでのモニタリング検査や、医療・介護事業所での集団検査を全国の各分野に広げつつ、医療逼迫(ひっぱく)を防ぐ態勢拡充を急がねばならない。