3Dvarius社の楽器を手にする大城さん。手前は6弦ヴァイパー・ヴァイオリン(南丹市園部町、ギャラリーカフェ 道の途中)

3Dvarius社の楽器を手にする大城さん。手前は6弦ヴァイパー・ヴァイオリン(南丹市園部町、ギャラリーカフェ 道の途中)

 沖縄の風土や精神を音で表現する「琉球ヴァイオリン」のジャンルを打ち立てた京都府南丹市園部町口人の大城敦博さん(46)が、世界有数のエレクトリックバイオリンメーカーの広告アンバサダー(大使)に選ばれた。大城さんは「奏者として、世界の最先端にいると確認できた。琉球ヴァイオリンを後世に残すきっかけにしたい」と語る。

 那覇市出身。かねて関心があった関西で、24時間、好きな時に音を出せる環境を探した結果、手頃な空き家もあった園部に2003年に移り住んだ。

 4弦の木製バイオリンよりも幅広い音域を持つ「6弦ヴァイパー・ヴァイオリン」の奏者として、年間150本前後のライブを行う。自身の演奏をその場で録音して即座に流す機器「ループペダル」を駆使し、「自分自身と共演するような」奏法を特徴とする。ヴァイパーの発明者で、世界最高の奏者とされるマーク・ウッドさんは「独自性がある。こんな音楽は聴いたことがない」と大城さんを評価したという。

 20年に米国で開かれた楽器商イベントで演奏したところ、フランスの3Dvarius(スリーディヴァリウス)社の目に留まり、世界で12人のアンバサダーに選ばれた。今後、同社が3Dプリンターなどで作ったエレクトリックバイオリンをライブなどで用いる。大城さんは「柔らかい響きがある。ゆったりした曲に合いそう」と話す。

 現在、3枚目となるアルバムの制作が大詰めを迎えている。活動の広がりを通じて琉球ヴァイオリンやヴァイパーを発信し、「ヴァイオリンならではの沖縄音楽の素晴らしさや、想像を超える音が出るヴァイパーの魅力を伝えたい」と力を込める。