京都地裁

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 京都府宇治市斎場(同市宇治)で昨年11月、火葬後の遺骨を遺族が拾う前に、職員が誤って骨の大半を集じん機で吸引していたことが30日、分かった。遺骨を失ったとして遺族3人が同日までに斎場を設置する同市を相手取り、計3300万円の損害賠償を求める訴えを京都地裁に起こした。


 提訴は5日付。訴状によると、昨年11月20日、宇治市斎場で90代女性の遺体が火葬され、遺族らが収骨のために待機していると、斎場職員から「故人の遺骨を集じん機で吸引してしまった」と報告を受けた。焼かれた後の台を確認すると、白いかけらや粉状のものはあったが、女性の遺骨と確認できるものは残っていなかった、という。


 斎場は、市から指定管理を受けた業者が火葬などの業務を行っている。遺族側が業者から受けた報告書によると、担当者がすでに収骨を終えたと勘違いして集じん機で遺骨を吸引。9割ほど吸った時点で誤りに気付き、作業を中止した。遺骨は高温で燃焼するためDNA鑑定による判別はできず、集じん機に設置されたバルブを通る際に細かくなり、形状の判別も難しいという。


 請求で遺族側は、吸引された遺骨は他の遺骨と混ざって引き渡しを受けることができなくなり、精神的苦痛を受けたと主張。市には国家賠償法に基づく賠償責任があると訴えている。


 宇治市は「事実関係も含めて係争中で答えられない」とする。業者の代理人は誤って吸引した事実を認め、謝罪するとした上で、「(集じん機の袋から上層部の)遺骨を選別してお返しするなど誠意を持って対応する」としている。