新型コロナウイルス感染者の急増を受け、吉村洋文大阪府知事が「まん延防止等重点措置」の適用を国に要請する考えを示した。

 改正コロナ特措法に基づく対応で、適用されれば全国初となる。

 大阪府の直近1週間の感染者は2千人を超え、前週を大きく上回った。緊急事態宣言が解除されて約1カ月、心配されていた通りのリバウンド(再拡大)だ。

 可能な対策を取り、感染を抑え込むのは当然である。いかに実効性をあげるかが問われている。

 リバウンドは各地で見られる。感染状況の情報開示と説明を尽くし、住民の協力を得る姿勢を示すことが、全ての自治体に必要だ。

 大阪で顕著なのは若年層の感染増加だ。26日までの1週間では10~30代が半数を占め、1カ月前と比べ3・5倍に膨らんでいる。

 若い世代の感染者が増えると高齢者にも拡大するのがこれまでの経験則だとされ、重症化リスクの高い60歳以上も増加傾向にある。

 手をこまねいていられる状況ではない。ただ、まん延防止重点措置をとっても、府民に危機感がどれだけ伝わるかは心もとない。

 重点措置は飲食店などへの営業時間短縮の要請や命令が中心だ。大阪ではすでに4カ月間も時短を求められている地域があり、命令違反へ過料の罰則が上乗せされても効果は薄いとの見方がある。

 時短に協力した場合の協力金の水準がいまだ定まっていないことも店側にとっては不安材料だ。早急に示さなくてはならない。

 時短要請の命令を巡っては、東京都内の業者が「営業の自由を保障した憲法に反する」と、都に損害賠償を求めて提訴している。

 措置を適用するなら、こうした懸念や課題があることを認識した上で、実情を踏まえたきめ細かな対応を進める必要がある。

 大阪府などへの緊急事態宣言が予定を前倒しして2月末で解除された際、府の専門家は再拡大させないための対策を求めていた。

 しかし、若年層の感染増加について吉村知事は当初、「宣言解除後に増えるのは当然」として府民への注意喚起にとどめていた。

 対応が後手に回り、重点措置を要請せざるを得ない状況に追い込まれたことは否定できない。

 大阪府の動きは京都府内の感染状況にも影響する。西脇隆俊知事は「すぐに同じ歩調をとる必要はない」とするが、府内の感染者数は独自に設けた警戒目安の第1段階に入った。感染再拡大への対応策を確実に進めるべきだ。